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英訳対策008 / 荒涼とした

問題
・アイスランドで見た荒涼とした景色は、むしろ、そこに生きる人々の温かさを感じさせた。
・戦争によって破壊された荒涼とした風景が1枚の写真に収めされている。

英訳
・The desolate landscape I saw in Iceland actually made me feel the warmth of the people living there.
・The photograph captures an empty townscape devastated by war.

解説
生徒から「荒涼とした」を英語でどう表せばよいかという質問を受けた。そのとき、「アイスランドの荒涼とした風景」と「戦争によって破壊された荒涼とした風景」では、同じ「荒涼とした」という日本語を使っていても、頭に浮かぶ情景は少し違うのではないか、という話をした。アイスランドの「荒涼とした風景」と聞くと、植物や人の気配が少なく、寒々しく、広大な土地に民家が点在しているような景色を私は思い浮かべる。一方、「戦争によって荒廃した風景」と聞くと、自然の厳しさというよりも、焼けたり崩れたりした建物、骨組みだけが残った家、人や生活の気配を失った町、といった光景が思い浮かぶ。このように考えると、「荒涼とした」にどの英単語を使うべきかは、頭の中に描いている情景によって変わってくる。

今回、アイスランドの風景には desolate、戦争によって破壊された町には empty を使うことにした。desolate は、人や生命の気配が乏しく、荒涼としていて、寂しさや寒々しさを感じさせる状態を表す語である。そのため、アイスランドのような自然の風景にも、戦争によって荒廃した町にも使うことができる。一方、empty はより基本的な語で、「空っぽの」「人のいない」という意味を持つ。したがって、戦争によって人や日常生活の気配が失われた町を an empty townscape devastated by war と表すこともできる。ここでは「破壊された」という意味を devastated by war が担い、empty はそこから人や生活が消えてしまった様子を表している。したがってemptyを勧めた際になぜかdevastateという単語も合わせて紹介したのだがemptyはdevastateとともに使うことによってはじめてその情景を的確に伝えることができる。それは辞書や参考書にはのっていないので、今までに読んだ文章や覚えておくということや、心の中で思い描くイメージを言葉に乗せるという意識を持つことが重要だ。

ちなみに、この話から「empty=何もない」というイメージが広がり、漢字の「無」にはなぜ「れっか」が含まれているのか、という別の疑問も生まれた。調べてみると、最初に想像していた理由とは異なっていたが、一つの言葉について考えているうちにそこから別の言葉や疑問へとつながっていくこともまた面白い。